第7話 反抗してますか?

アゲアゲくん
あっはっは!
ミドリさん
・・・。※洗い物中
アゲアゲくん
し、志村うしろー。
テレビ
ちょっとだけよ。
アゲアゲくん
いやーはっははは!!
ミドリさん
・・・。イライラ。
ミドリさん
ちょっとアゲアゲくん。
テレビ
だっふんだ!
アゲアゲくん
だーはーはっははは!!※聞いてない
テレビ
ブツン
アゲアゲくん
あーー!!消えた!?
アゲアゲくん
なぜ消すのですか、ミドリさん。
ミドリさん
話を聞きなさい。
アゲアゲくん
何の?
ミドリさん
洗い物手伝って。忙しいの。
アゲアゲくん
イヤです。
ミドリさん
ガクっ
ミドリさん
前から思ってたんだけどさー。
アゲアゲくん
ミドリさん
アゲアゲくん、ワガママよねぇ。
アゲアゲくん
そうですよ。あっはっは!
ミドリさん
皮肉だったのに。
ミドリさん
ぜーんぜん優しくないね。
アゲアゲくん
僕はドリフが大好きなのです。
ミドリさん
何言ってるのよ?
アゲアゲくん
ミドリさんがピンチならいざ知らず。
アゲアゲくん
今は手伝いたくないです。僕は。
ミドリさん
ハッキリしてるなぁ・・。
アゲアゲくん
大事なことですよ。
ミドリさん
うーん、納得いかん。

 

数日後

ユウスケ
ただいまー。
ミドリさん
お帰りなさい。
ミドリさん
保育園楽しかった?
ユウスケ
うん!
ミドリさん
おやつ用意してるよ。
ユウスケ
わーい。
ミドリさん
さて、連絡帳っと。

 

ペラ(連絡帳めくる)

 

先生より
『ゆーすけ君、最近、ワガママ多く困っています。指示にしたがってくれません』
先生より
『将来が心配です。お家でもしっかり言いつけててください。担任より』
ミドリさん
ガーン
ミドリさん
将来が心配なんて・・。どうしよう。
ミドリさん
ゆーすけ!ゆーすけ!
ユウスケ
もぐもぐ。
ミドリさん
ダメじゃないの!先生の言うこと聞かなきゃ!
ユウスケ
えー。
ミドリさん
えーじゃないの!いい?
ミドリさん
先生はゆーすけのためを思って言ってくれてるんだからね!
ミドリさん
ワガママ言っちゃダメだよ!
ユウスケ
うー。
ミドリさん
分かってないな、この子。
ミドリさん
あぁ、どうしよう。
アゲアゲくん
 ミドリさん、ミドリさん。
ミドリさん
なによ?
アゲアゲくん
ほっときましょう。
ミドリさん
はぁ?なにを?
アゲアゲくん
先生に言われても。基本ほっときましょう。
ミドリさん
そんなわけにいかないでしょ?
アゲアゲくん
あっはっは。
アゲアゲくん
人は反抗してナンボです。
ミドリさん
先生がダメだって言ってるんだよ?
アゲアゲくん
関係ないですよ。
ミドリさん
??
アゲアゲくん
ゆーすけ君はね。
アゲアゲくん
意志があるから反抗してるのですよ。
ミドリさん
当たり前じゃない。
アゲアゲくん
当たり前だから、ほっといていいのです。
アゲアゲくん
先生に反抗。大したモノですよ。
ミドリさん
アゲアゲくんは親じゃないからそう言えるんだよ。
アゲアゲくん
なるほど。一理ある。
ミドリさん
・・。うーん。
ミドリさん
ほっといていいの??
アゲアゲくん
ミドリさんは、ちゃんと反抗してますか?
ミドリさん
わ、わたし?
アゲアゲくん
そう。ミドリさん。
ミドリさん
反抗だなんて。この年になって、そんなのないよ。
アゲアゲくん
あっはっは。
アゲアゲくん
人は反抗してナンボです。
ミドリさん
メチャクチャなこと言うね。
アゲアゲくん
あっはっは。
アゲアゲくん
ゆーすけ君の連絡帳みせてください。
ミドリさん
え?はい。どうぞ。
アゲアゲくん
ふむふむ。
アゲアゲくん
うん、気にしないでOK。
アゲアゲくん
分かってる先生なら、こんな書き方しません。
ミドリさん
「将来が心配です」って書かれてあるのが不安なんだけど・・。
アゲアゲくん
分かってない人ほど、そういうのですよ。
アゲアゲくん
『従っていればOK』とこの先生は考えているようですね。
アゲアゲくん
ホントは真逆。
アゲアゲくん
反抗もときには必要ですよ。
ミドリさん
・・・。うーん。
アゲアゲくん
自分の気持ちこそが太陽です。
アゲアゲくん
先生に言われたら不安になります。
アゲアゲくん
親の責任も感じるでしょう。
ミドリさん
うん・・・。
アゲアゲくん
でも負けないで。
アゲアゲくん
主体性ほど大事なものはこの世にないのです。
アゲアゲくん
本当のピンチはね。
アゲアゲくん
意志をなくしたときなのですよ。

 

 

翌日・夕方

 

ミドリさん、洗い物中

ミドリさん母
ただいまー。
ミドリさん
お帰り。
ミドリさん母
あー疲れた。
ミドリさん
4月だもんね。
ミドリ母
また担任もつことになったわ。
ミドリさん
そうなの?
ミドリ母
若い先生が急に辞めちゃったのよ。
ミドリさん
4月なのに??
ミドリ母
そう。始業式前に「辞めます」って校長に辞表提出したのよ。
ミドリさん
無責任だね・・信じられない。
ミドリ母
まぁ、ある話よ。
ミドリ母
それでねぇ。
ミドリ母
校長にさ。「お話があります」って呼び出されてさー。
ミドリさん
あ、ヤバイ。愚痴が始まるな・・。
ミドリさん
そ、そう。
ミドリ母
何だと思う?
ミドリさん
えーなに?
ミドリ母
「辞めた先生の代わりに担任になってください」だなんて・・。

 

1時間後

ミドリさん
な、ながい・・・。
ミドリ母
なんで私が面倒みなきゃいけないのよ。
ミドリさん
災難だったね。
ミドリ母
最近の子はなってないわ。親の甘やかしのせいなのよ。
ミドリさん
洗い物の続きしたいな・・。お風呂も入れなきゃ・・
ミドリ母
ブツブツ・・・。
ミドリさん
・・私って。
ミドリさん
言いなりになってるのかな。
ミドリ母
いっつも私が損する役割なのよね。
ミドリさん
損する役割?
ミドリさん
それって私じゃ・・・。
ミドリ母
ちょっと聞いてるの!?
ミドリさん
え!うん。聞いてるよ。
ミドリ母
私がどれだけ頑張ってきたと思う?
ミドリさん
大変だよね。
ミドリさん
私は意志を持って生きてるのかな・・。

 

翌日

ミドリさん
アゲアゲくん、昨日思ったんだ。
アゲアゲくん
ミドリさん
私、意志がないのかもしれない。
アゲアゲくん
ほう。
ミドリさん
昨日、母さんが「自分だけ損してる」って言ったの。
アゲアゲくん
ふむふむ。
ミドリさん
なんかカチンときて。
ミドリさん
「損してるのは母さんじゃない。私でしょ?」って思った。
アゲアゲくん
良い気づきですね。
ミドリさん
私、間違ってない?
アゲアゲくん
全く問題なし!
アゲアゲくん
ていうか。
アゲアゲくん
何を不安に思っているのでしょう??
ミドリさん
母さんに反抗することかな。
アゲアゲくん
子どものころは反抗したのですか?
ミドリさん
・・したね。随分前だけど。
アゲアゲくん
どうなりました?
ミドリさん
めちゃくちゃ怒られたよ。
アゲアゲくん
怖かった?
ミドリさん
うん。
ミドリさん
「この人には逆らっちゃダメだ」って思ったなぁ。
アゲアゲくん
大人には勝てないですからね。
アゲアゲくん
今のミドリさんは?
ミドリさん
え?
アゲアゲくん
ミドリさんは今も子どもですか?
ミドリさん
大人だよ。もう、意地悪だな。
アゲアゲくん
あっはっは。イヤミじゃなくて!
アゲアゲくん
もう反抗しても大丈夫ですよ。
ミドリさん
あ・・・。
アゲアゲくん
無力な子ども時代は終わったのです。
アゲアゲくん
反抗していいんじゃないですか?
ミドリさん
いいのかな??
アゲアゲくん
いいですよ。

 

夕方

ミドリ母
あー疲れた。
ミドリさん
お帰り。
ミドリ母
ねー聞いてよ。
ミドリさん
なに?
ミドリさん
しまった・・・。いつものクセで聞いてしまった
ミドリ母
クラスがもう動物園みたいなの。
ミドリさん
・・・。よし、反抗しよう。
ミドリ母
注意しても立ち歩くし、大声出すし、意味なく笑ってるし・・・。
ミドリさん
ゴメン。洗い物の途中だから。
ミドリ母
えぇ!待ちなさいよ。
ミドリさん
ゴメン、後で聞くから!

 

ミドリ母
・・・でさぁ。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
結局、聞くハメになっちゃった・・・。
アゲアゲくん
良い感じですよ。
ミドリさん
そうかな??
アゲアゲくん
成長とは積み重ねなのです。
アゲアゲくん
今日、ちょっと断れたことが成長なのですよ。
ミドリさん
一つ発見があるよ。
アゲアゲくん
なんでしょう?
ミドリさん
いつもよりストレスが少ない。
アゲアゲくん
それは良かった。
アゲアゲくん
今度、ゆーすけ君から反抗されてもね。
アゲアゲくん
ちょっと許せてるミドリさんがいますよ。
ミドリさん
そうなのかな??
アゲアゲくん
そういうものなのです!

 

 

【アゲアゲくんの教え】

反抗しよう