第1話 ミドリさんとアゲアゲくん
~公園にて~
ユウスケ
お母さん抱っこー。
ミドリさん
おいでー♪
ユウスケ
キャッキャ♪
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
重い・・・。
ユウスケ
キャッキャ♪
ミドリさん
下ろしたい・・。
ミドリさん
下ろしたらどうなるだろう。
ミドリさん
「冷たい母親」って思われるかな・・。
ミドリさん
我慢するか・・・。
ユウスケ
きゃっきゃ♪
ミドリさん
・・。重い。
ユウスケ
抱っこー。
ミドリさん
・・・。またー?
ミドリさん
どうしよう。
ミドリさん
「抱っこは甘えたになる」って言うし
ミドリさん
ここは厳しく!
ミドリさん
ダメ。
ユウスケ
えー。
ミドリさん
甘やかしちゃダメよね。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
・・・。あぁ違うな。
ミドリさん
「甘えたになる」そんなの言い訳だ。
ミドリさん
私がしたくないだけじゃない。
ミドリさん
・・・。ゆーすけ。
ユウスケ
・・・。
ミドリさん
子どものどこが可愛いんだろう。
~翌日・商店街にて~
ミドリさん
!
ミドリさん
あのお母さんスゴいなぁ・・。
お母さん
たかいーたかいー♪
ミドリさん
楽しそう・・・。
お母さん
ビューーーン!♪
ミドリさん
ずっと抱っこして遊んでる・・。
ミドリさん
人前だからムリしているんだろうか。
お母さん
イチ!ニィの!それぇーー!♪
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
いや、違う。
ミドリさん
あの人は本当に楽しんでるんだ。
ミドリさん
ああいうのを優しい人っていうんだろな。
ミドリさん
・・。
ミドリさん
私なんて叩くし、怒鳴るし、罵るし・・。
ミドリさん
はぁーー。
ミドリさん
優しい人に生まれたかったなぁ・・・。
『みーつけたっ!!!』
アゲアゲくん
やっとあえましたー!
ミドリさん
きゃー!?
バッ!(離れるミドリさん)
ミドリさん
なに、この赤くて小さいの!?
アゲアゲくん
お久しぶりです!
ミドリさん
はぁ!?
アゲアゲくん
やっと会えましたね!
ミドリさん
ひ、人違いです。
アゲアゲくん
恩返しにきました!
ミドリさん
誰に?
アゲアゲくん
アナタに。
ミドリさん
いいです!サヨナラ!
アゲアゲくん
優しい人になりたいんですよね?
ミドリさん
ギク!
ミドリさん
なんで分かるの??
アゲアゲくん
やっぱり。
アゲアゲくん
僕はアゲアゲくんと申します!
ミドリさん
アゲアゲくん??
アゲアゲくん
僕と契約してアゲアゲになってください。
ミドリさん
・・・意味わかんない
アゲアゲくん
僕と契約してアゲアゲになってください!
ミドリさん
それは聞いたから。
アゲアゲくん
アゲアゲになってくれますか?
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
アゲアゲって??
アゲアゲくん
僕みたいになってほしいのですよ!
ミドリさん
真っ赤になんてなりたくないです。
アゲアゲくん
見た目じゃなくて中身!
ミドリさん
なかみ??
アゲアゲくん
嬉しくて、楽しくて、自分大好き!
アゲアゲくん
そんなアゲアゲになってほしいのですよ。
ミドリさん
あぁそういうことか
アゲアゲくん
僕と契約してアゲアゲになってください!
ミドリさん
・・いえ、結構です。怪しいので。
アゲアゲくん
願いが叶いますよ。
ミドリさん
いらないです!間に合ってます。
アゲアゲくん
優しくなりたいんでしょ??
ミドリさん
聞いてないなコイツ・・。
ミドリさん
こうなったら。
ミドリさん
逃げよう。
ダッ!(走るミドリさん)
アゲアゲくん
あー!まってー!!
~公園~
ミドリさん
はぁ、はぁ。
ミドリさん
逃げられたみたい
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
さっきの赤い・・アゲアゲくんだっけ。
ミドリさん
私を知っているみたいだったな。
ミドリさん
んー。
ミドリさん
記憶にないぞ。あんなの忘れるわけない・・・。
ミドリさん
あ!物心つく前に会ったとか??
ミドリさん
!?頭の上に?
アゲアゲくん
一緒に住んでたのですよ。
ミドリさん
ぎゃー!!
アゲアゲくん
あっはっは!
アゲアゲくん
僕ですよ!
ミドリさん
あ!さっきの!
アゲアゲくん
僕は何にでも変身出来るのです!
ミドリさん
脅かすなー!
アゲアゲくん
あっはっはー。
アゲアゲくん
いやぁ懐かしい!この感じ!
ミドリさん
人違いだよ!?絶対知らないから!
アゲアゲくん
当然です!
アゲアゲくん
出会ったのはアナタの前世です。
ミドリさん
前世?
アゲアゲくん
はい!お久しぶりです!
ミドリさん
・・・。ちょっと待って。ついていけない。
アゲアゲくん
前世ってあるんですよ。
ミドリさん
じゃあ聞くけどさ!
ミドリさん
私はどんな人だったの?
アゲアゲくん
優しくなろうと頑張る人でした。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
何年前の、なんて名前!?
アゲアゲくん
言えません。
ミドリさん
なんで?
アゲアゲくん
言えない掟なのです。
ミドリさん
・・・。都合いいわね。
アゲアゲくん
アゲ者はウソつかないですよ。
ミドリさん
揚げ物はウソつかない?
アゲアゲくん
アゲ者です。
ミドリさん
アゲ者ってなんなのよ?
アゲアゲくん
アゲアゲ界からの使者ですよ。
ミドリさん
何しにきたの?
アゲアゲくん
願いを叶えにきたのです。
ミドリさん
??
アゲアゲくん
「お金持ちになる方法」
アゲアゲくん
「有名人になる方法」
アゲアゲくん
「モテモテになる方法」
アゲアゲくん
何でもOK!
アゲアゲくん
なりたい自分になる方法を教えますよ。
ミドリさん
んーーー。
アゲアゲくん
「信じれないよ」
ミドリさん
!
アゲアゲくん
って言おうとしたでしょ?
ミドリさん
・・!??
ミドリさん
なんで分かるの?
アゲアゲくん
アナタは前も同じことを言ったのです!
ミドリさん
じゃあさ!聞くけど。
ミドリさん
なんで願いを叶えてくれるのよ?
アゲアゲくん
アゲタイヨウを輝かせるためです。
ミドリさん
上げたいよ??
アゲアゲくん
アゲタイヨウですよ。
ミドリさん
意味が全く分からないんだけど。
アゲアゲくん
アゲタイヨウとは、人間界の太陽とほぼ同じ。
アゲアゲくん
アゲアゲ界にあるタイヨウのことです。
ミドリさん
ふざけた名前だな・・
アゲアゲくん
アゲタイヨウから放出されるアゲタイ光線は、僕らのエネルギー源。
ミドリさん
植物の光合成みたいなもの?
アゲアゲくん
そうですね。
アゲアゲくん
アゲタイ光線を浴びることで、エネルギーを得ているのです。
アゲアゲくん
アゲタイヨウが輝くとテンションMAX!毎日が日曜日!
アゲアゲくん
輝きを失えば、テンション駄々下がり。毎日がお通夜のよう。
ミドリさん
太陽電池みたいだね。
アゲアゲくん
あはは。似てますね。
アゲアゲくん
さて、ここで問題です。
アゲアゲくん
アゲタイヨウはどうすれば輝くでしょう?
ミドリさん
んー??
アゲアゲくん
残り時間3秒。
ミドリさん
えー?なに??
アゲアゲくん
2・1・終了です。
ミドリさん
全然分かんないよ。
アゲアゲくん
答えは人間がアゲアゲになることです。
ミドリさん
分かるわけないだろ・・・。
アゲアゲくん
バイオリズムのように、人の心は上げ下げを繰り返します。
アゲアゲくん
アゲタイヨウが輝いているときは、人類全体が上がっているとき。
アゲアゲくん
くすんでいるなら、人類全体もくすんでいるのです。
ミドリさん
なるほど。バロメーターなのね。
アゲアゲくん
人間をアゲアゲにして、アゲタイヨウを輝かせる。
アゲアゲくん
これは僕らの仕事なのですよ。
ミドリさん
つまり・・タダで私の願いを叶えてくれるの?
アゲアゲくん
はい。
ミドリさん
・・・。よくわかんないけど。
ミドリさん
これってラッキーなのでは♪
ミドリさん
やっと!幸運が巡ってきたのかも!
アゲアゲくん
どんな人になりたいですか?
ミドリさん
お金持ちにして!
アゲアゲくん
「お金持ちになる方法」ですね?
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
いやいや!ちょっと待って・・。
ミドリさん
才能で稼げる方が効率いいよね。
ミドリさん
歌手がいいなー!
アゲアゲくん
・・・。
ミドリさん
売れないのはイヤだよ。
ミドリさん
アムロみたいにカッコいいのがいい!
ミドリさん
時代を代表するアーティストになってみたい!
アゲアゲくん
「人気アーティストになる方法」ですね?
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
いやいやいやいや。ちょっと待って。子育て中に歌手になってどうする私。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
やっぱり。
ミドリさん
優しい人になりたい。
アゲアゲくん
・・・。
ミドリさん
きっかけがあってね。
ミドリさん
昔、付き合ってた人にフラれちゃって。
ミドリさん
「優しくないトコがイヤだ」って・・・。
ミドリさん
ショックだった。自分を呪いたくなった。
ミドリさん
そこから、たくさん勉強したんだよ。
ミドリさん
甲斐あってか、今の優しい旦那と結婚できた。
ミドリさん
やがて母親になって。
ミドリさん
気づいたの。 自分の子を「可愛い」と思ってない。
ミドリさん
子どもに冷めてるの。
ミドリさん
「お母さんこれ見てー!」って話かけられてもね。
ミドリさん
「それがどうしたの?邪魔しないで」って内心思ってて・・。
ミドリさん
やっぱり私は冷たいまま。
ミドリさん
優しい旦那と暮らしてもダメ。母親になってもダメ。
ミドリさん
「止まない雨はない」って言うけど・・私は違うみたい。
ミドリさん
踏ん張ってきたけど。もう諦めようかなって。
ミドリさん
「死にたい」と思うことも・・・あるんだ。
ミドリさん
でもさ。
ミドリさん
私、親だからさ・・。
アゲアゲくん
・・・・
アゲアゲくん
では。
アゲアゲくん
「優しい人になる方法」を知りたいのですね。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
うん。
アゲアゲくん
お任せください!
ミドリさん
わ!
ガシッ!!
アゲアゲくん
↗↗αγρ!
ブゥゥゥン!
ミドリさん
きゃー!?なになにー!?
パッ!
ミドリさん
あれ?消えた?
アゲアゲくん
これでOK!
ミドリさん
????
アゲアゲくん
手続き終わりました。
ミドリさん
なんの?
アゲアゲくん
僕との契約!
ミドリさん
契約ぅー!?
ミドリさん
忘れてた!
ミドリさん
ていうか、やる前に聞いてよ!
ミドリさん
「契約する」って私、言ってないよ!?
アゲアゲくん
さっき望んだじゃないですか。
ミドリさん
そ、そうだけど!
アゲアゲくん
破棄しますか?
ミドリさん
え?
アゲアゲくん
破棄してもいいですよ!
ミドリさん
あ、いや、えっと。
ミドリさん
話、聞いてからでいい?
アゲアゲくん
いいですよ!
ミドリさん
契約内容って何なの?
アゲアゲくん
これから優しい人になる方法をレクチャーします。
ミドリさん
それで?
アゲアゲくん
契約によりアナタがアゲアゲになった分は僕のお手柄になるのですよ。
ミドリさん
専属契約みたいなものか。
アゲアゲくん
契約期間はアナタが生きている間。
アゲアゲくん
もしくは契約破棄するまで。
ミドリさん
私がやめたくなったらどうなるの??
アゲアゲくん
僕はアゲアゲ界に帰りますね。
ミドリさん
えっと、そうじゃなくて・・
アゲアゲくん
?
ミドリさん
破棄したらペナルティとかあるんでしょ?
アゲアゲくん
ないですよ!
ミドリさん
じゃあ私がずっとアゲアゲになれなかったら?
アゲアゲくん
僕が悪いので謝ります。
ミドリさん
罰則は何にもない?
アゲアゲくん
なーんにも!
ミドリさん
そんな都合の良い話・・
アゲアゲくん
ご心配なく。
アゲアゲくん
アゲ者の目的はアゲタイヨウを輝かせること。
アゲアゲくん
よりアゲアゲになるには、自由に、罰則はない方がいいのですよ。
ミドリさん
そうなんだ。良かった。
ミドリさん
えっと、これからどうなるのかな?
アゲアゲくん
まだ不安なのですか?
ミドリさん
そうだね。
アゲアゲくん
うーん。大丈夫ですよ。
アゲアゲくん
僕はアナタの願いを叶えたいのです。
ミドリさん
なんで??
アゲアゲくん
恩人ですから!
ミドリさん
そう!それ!
ミドリさん
前世の私・・・って前世なんて信じられないけど!
ミドリさん
私はキミに何をしたの??
アゲアゲくん
愛を教えてくれました!
ミドリさん
・・・は?
アゲアゲくん
アゲアゲ界に伝わる言葉があります。
アゲアゲくん
究極のアゲアゲは愛である
ミドリさん
究極のアゲアゲは愛!いい言葉だね。
アゲアゲくん
人間はそう思えるようですね。
ミドリさん
??
アゲアゲくん
僕らアゲ者には信じがたい言葉なのです。
ミドリさん
なんで??
アゲアゲくん
アゲ者は「うれしい!たのしい!大好き!」がモットー。
ミドリさん
うん。そんな感じだよね、キミって。
アゲアゲくん
自己中心的。「子ども」なのですね。
ミドリさん
なるほど。子どもっぽいもんね。
アゲアゲくん
自己中なアゲ者に「愛する」という感覚は分からんのです・・・
ミドリさん
うーん。分かるような分からないような。
アゲアゲくん
「究極のアゲアゲは愛」これは伝説のようにアゲアゲ界に残っています。
ミドリさん
・・で、私が愛を教えたの?スゴすぎるじゃない。
アゲアゲくん
スゴいんですよ。
ミドリさん
私は退化したのかー??愛なんて分かんないもん!
アゲアゲくん
今もスゴいのですよ。
ミドリさん
・・・え?
アゲアゲくん
「優しい人になりたい」そう願えることがスゴいのです。
ミドリさん
そうなのかなー??
アゲアゲくん
僕は願いを叶えるアゲ者。
アゲアゲくん
人が願うことの多くは何だと思いますか?
ミドリさん
うーん、お金とかじゃない?
アゲアゲくん
そう。欲望です。
アゲアゲくん
「お金持ちになりたい」
アゲアゲくん
「名声を得たい」
アゲアゲくん
「異性にモテたい」
アゲアゲくん
人は欲望を願うものです。
ミドリさん
さっきの私もそうだったね。お金と人気歌手だもんね。
アゲアゲくん
僕はずっと欲望を叶える方法を教えてきました。
アゲアゲくん
人間は欲深い。
アゲアゲくん
僕には何を願ってもいい。
アゲアゲくん
もう分かりますよね。
アゲアゲくん
「優しい人になりたい」と願う人は極めて稀なのですよ。
ミドリさん
それって私が冷たいだけじゃないのー??
アゲアゲくん
いえいえ、本当に冷たい人は悩むことすらないのですよ。
アゲアゲくん
「優しい人になりたい」アナタは前世でも同じ事を言ったのです。
アゲアゲくん
僕はビックリしました。
アゲアゲくん
そして大苦戦。ゴメンね・・。
ミドリさん
・・え?
アゲアゲくん
僕が未熟だったのです。
アゲアゲくん
優しくするのは、疲れること、気分を下げるものと思っていた。
アゲアゲくん
アゲアゲにならないとアゲタイヨウは輝かない。
アゲアゲくん
初めて行き詰まりました。
アゲアゲくん
アナタにも迷惑をかけてしまった。
アゲアゲくん
「契約破棄しますか?」と僕は言いました。
アゲアゲくん
アナタは破棄しなかった。
アゲアゲくん
「続けてほしい」と言ってくれた。
アゲアゲくん
何もできない僕をアナタは見捨てなかったのです。
アゲアゲくん
嬉しかった!
アゲアゲくん
とっても!感謝しています。
ミドリさん
・・・。ねぇ?
ミドリさん
私は優しい人になれたの?
アゲアゲくん
うーん。
アゲアゲくん
いや、えーっと。
ミドリさん
あ、言えない掟だったね。
アゲアゲくん
いえ、これはルール内。言えます。
アゲアゲくん
ゴメンナサイ。
アゲアゲくん
願いを叶える前にアナタは世を去ってしまいました。
ミドリさん
・・・。
アゲアゲくん
契約終了。僕はアゲアゲ界に帰りました。
アゲアゲくん
消滅しそうなほどショックだった。
アゲアゲくん
ただ希望はある。人間は輪廻転生を繰り返します。
アゲアゲくん
アナタの様子から、再び人間に生まれてくることは分かっていました。
アゲアゲくん
「次は必ず願いを叶えてみせる」僕はそう思ったのです。
アゲアゲくん
方法を全部改めました。
アゲアゲくん
やがて気づいたのです。
アゲアゲくん
僕はアゲタイヨウのためにアナタに教えていたこと。
アゲアゲくん
アゲ者には足りない要素があること。
アゲアゲくん
そして。
アゲアゲくん
アナタとの時間はとても楽しかったこと。
アゲアゲくん
失敗と反省が教えてくれたのです。
アゲアゲくん
「究極のアゲアゲは愛である」の意味を。
ミドリさん
!!理解できたの?
アゲアゲくん
はい。アナタのおかげです。
アゲアゲくん
「優しい人になる方法」は完成しました。
アゲアゲくん
「欲望を叶える方法」も進化しました。
ミドリさん
スゴいね!
アゲアゲくん
伝説は本当でした。究極のアゲアゲは愛なのです。
アゲアゲくん
自己中なアゲアゲは「愛」への始まり。
アゲアゲくん
僕はアゲアゲと一緒に優しさも教えられるようになりました。
アゲアゲくん
人間たちは明らかに良くなった。
アゲアゲくん
与えることの喜びを理解していくのです。
アゲアゲくん
「優しいお金持ち」「優しい人気者」になることができた。
アゲアゲくん
「今、幸せです」
アゲアゲくん
「自分にこんな時が訪れるなんて」
アゲアゲくん
そんな心からの感謝をもらいました。
アゲアゲくん
嬉しかった!!
アゲアゲくん
欲望だけでは人は満たされないんです。
アゲアゲくん
優しさがなければ!
アゲアゲくん
いかなる富や名声も。
アゲアゲくん
優しさが伴わないと人は幸せになれない。
ミドリさん
そう!私もそう思うんだよ!
ミドリさん
でも優しくなれないんだ。
ミドリさん
この違和感はなに?
ミドリさん
さっきのお母さん!
ミドリさん
子どもを嬉しそうにあやしてたさっきのお母さん!
ミドリさん
なんであの人は優しいの?
アゲアゲくん
今なら答えることが出来ます。
アゲアゲくん
究極のアゲアゲ「愛」を体得しているのですよ。
ミドリさん
!!わ、私もあんな風になりたいんだけど・・・。
ミドリさん
なれるかな??
アゲアゲくん
なれますよ。
アゲアゲくん
前回は未熟でスミマセンでした。
アゲアゲくん
僕は幸せになったけど、アナタはまだなってない。
アゲアゲくん
新しい僕の優しい人になる方法。
アゲアゲくん
究極のアゲアゲ「愛」を体得できます。
アゲアゲくん
今度はアゲタイヨウのためじゃない。アナタのために。
アゲアゲくん
アナタが輝く姿を僕は見たい。
ミドリさん
・・・。
ミドリさん
分かった!
ミドリさん
今度こそ変わりたい!
ミドリさん
優しい人になる方法を教えて!
アゲアゲくん
喜んで!
アゲアゲくん
・・・。
アゲアゲくん
そうそう!
アゲアゲくん
言い忘れていました!
ミドリさん
なに?
アゲアゲくん
条件があります。
ミドリさん
なになになに??
アゲアゲくん
たいしたことじゃないですよ。
ミドリさん
なんなの??
アゲアゲくん
お家に住まわせてください。
ミドリさん
えー!ウチに住むの?
アゲアゲくん
・・ダメ?前も住んでたから。
ミドリさん
いや、ダメというか何というか・・・。
ミドリさん
キミって宇宙人級に珍しいんだよ?
ミドリさん
絶対騒ぎになるって。
ミドリさん
捕まって研究所送りにされても知らないよ?
アゲアゲくん
大丈夫!
アゲアゲくん
僕は伸縮自在!
ミドリさん
わ!
アゲアゲくん
小さくもなれちゃう!
ミドリさん
わわ!
アゲアゲくん
何にでもなれます。
ミドリさん
ひえぇ!
アゲアゲくん
透明にだって!
ミドリさん
スゴい!
アゲアゲくん
捕まえるのは不可能!
ミドリさん
安心か。
ミドリさん
じゃあウチくる?
アゲアゲくん
はい!
ミドリさん
帰ろっか。
アゲアゲくん
はーい。
アゲアゲくん
あ!聞き忘れてました!
ミドリさん
なに?まだあるの?
アゲアゲくん
今のお名前なんですか?
ミドリさん
言ってなかったね。
ミドリさん
私はミドリと言います。
アゲアゲくん
そうですか。
アゲアゲくん
またよろしくお願いします、ミドリさん。
ミドリさん
こちらこそ。アゲアゲくん。
【アゲアゲくんの教え】
アナタも優しい人になれる